マンガ界の話題を硬軟とりまぜてお知らせするミニコミ誌です。
■マンガ論争勃発2007-2008
ミニコミ誌『マンガ論争』の母体となったのは2007年発行の『マンガ論争勃発2007-2008』(マイクロマガジン社)です。同書は「表現規制問題で本を作れないか」というジャーナリスト昼間たかしの発想からスタートしました。永山薫はこれに賛同しましたが「規制問題だけでは間口が狭く、読者も限定される。マンガ文化全体にかかわる本にした方がいい」と対案を出し、共同編著で単行本を作りました。
著者の名義は昼間、永山の二人ですが、担当編集者だった奈良原士郎(元・『ゲーム批評』誌編集長)は3人目の著者と言っても過言ではないでしょう。また、コミックマーケット準備会並びに全国同人誌即売会連絡会には多大なご協力をいただきました。
↓こういう本ですね。表紙イラストはあびゅうきょ。かなり戦闘的な表紙に仕上がりました。「もしも明日マンガ狩りが始まったら?」という惹句は煽りではなく、それくらい危機感を持っていた(現在もですが)ということです。一番のキモは「人の話を聞く」というわけで、様々な分野、立場で活躍しておられる人々に会いに行き、情報やご意見を拝聴しました。取材にご協力いただいたみなさんのお名前を掲載しますが、肩書や在地は2007年当時のものです。
序 章:人の話を聞く
第一章:マンガは世界に広がっている
歐陽宇亮(オタク研究者・中国)
宣政佑(マンガ評論家・韓国)
猫島礼(マンガ家・在タイ)
西方公一(元マンガ防衛同盟代表・在タイ)
岡部大介(慶應義塾大学SFC講師)
小田切博(アメリカンコミックス研究者)
エチエンヌ・バラール(ジャーナリスト・フランス)
ジュリアン・ブヴァール(山梨大学講師・フランス)
須川亜紀子(アニメ、ジェンダー研究者・イギリス、スペイン)
岡田眞樹(駐デンマーク日本大使)
中野晴行(マンガ研究者)
境真良(早稲田大学大学院准教授)
第二章:日本コンテンツを支える同人文化
三崎尚人(同人誌研究家)
中村公彦(コミティア実行委員会代表)
筆谷芳行(コミックマーケット共同代表、『ヤングキングアワーズ』編集長)
第三章:マンガと著作権
坂田文彦(ガタケット代表)
竹熊健太郎(編集家、文筆家)
白田秀彰(法政大学社会学部准教授)
松本零士(漫画家)
第四章:表現の現場から
川島国喜(メロンブックス)
鮎澤慎二郎(とらのあな)
荒巻喜光(ねこのしっぽ)
塩山芳明(エロマンガ編集者、文筆家、読書家)
環望(漫画家)
山田参助(漫画家)
星逢ひろ(漫画家)
渡辺由美子(オタクカルチャー・ジャーナリスト)
金田淳子(法政大学非常勤講師、社会学者)
第五章:有害とワイセツ
長岡義幸(フリー記者)
山本夜羽音(漫画家)
要友紀子(人権活動家)
鎌倉圭吾(鎌ヤン、漫画家)
兼光ダニエル真(AMI代表、翻訳家)
貴志元則(松文館社長)
山口貴士(弁護士)
水内康雄(イベント主催者)
第六章:規制と自主規制の現状
青山彩子(東京都青少年課課長)
第七章:表現の自由と規制
前田雅英(バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会座長、首都大学東京東京都市教養学部教授)
中里見博(ポルノ買春問題研究会(APP研)代表、福島大学行政政策学類准教授)
斎藤環(精神科医、評論家)
伊藤剛(マンガ評論家、大学講師)
上野千鶴子(東京大学大学院教授)
ちばてつや(漫画家)
第八章:マスコミとマンガ文化
大谷昭宏(ジャーナリスト)
渡辺圭(毎日新聞記者)
石田汗太(読売新聞記者)
福田淳(読売新聞記者)
終 章:マンガの自由
里中満智子(漫画家、マンガジャパン事務局長)
東浩紀(文芸批評家、哲学者、東京工業大学特認教授)
市川孝一(コミックマーケット共同代表)
安田かほる(コミックマーケット共同代表)
参考文献
マンガ論争関連年表1989-2007