マンガ論争って?

■マンガ論争勃発2
 さて、『マンガ論争2007-2008』は高い評価を受け、増刷もされました。しかし、その取材を通じて、知見が広がった分、「これだけじゃ終われない」「刻々と状況は流動していく」「もっと取材したい」という想いも強くなりました。毎年1冊、最低5年は続けたい。しかしマイクロマガジンのバックアップがあるとは言え、マンパワーが足らない。結局、第2弾を上梓できたのは1年半後でした。
 表紙イラスト担当は、あびゅうきょ。帯に「マンガの国存亡の秋 開戦前夜」とキャッチが躍ってます。前著と併せて2年以上の年月を取材に費やして来たため、色々なことが見えてきました。

 編著者たちにとって刺激的だったのは、前著ぼ取材時にぼんやりと気づいたこと、問題点が、今回の取材で目の前の霧が晴れるように見えてきたということ。要するに、マンガとマンガ界を巡る問題ってのは、経済と感情に集約されるんじゃないかということだ。もう少し丁寧に言うと「大抵の問題は、お金の流れを整え、互いの感情を尊重することによってある程度は解決がつくんじゃなかろうか?」ということになる。
 潔癖な人は「ある程度の解決」じゃ我慢できんかもしれないが、世の中、完全解決を目指すとロクなことにならない。「イエスかノーか?」「オール・オア・ナッシング」ってカッコイイけど、これを突き詰めると敵対する意見の人は根絶やしにするしかなくなってしまう。ほどほどのところで共存共栄するのがお互いのためでしょう。(永山薫「まえがき」より)

 この考えは今もほとんど変わっていません。多様な意見を二項対立に落とし込むのは、愚かで野蛮な発想だと思います。(工事中)

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