20-21日、参議院70周年を記念した一般公開が行われました。たまたま小野田紀美参議院議員のツイートで発見して「これは行かねば!」というわけです。だって10年に一回ですから、これを外すと次回は10年後。筆者は72歳ですよ。毎年公開してもいいと思う。せめてオリンピックなみに4年に1回とかさ。秘仏開帳じゃないんだからw
実は国会議事堂に入るのは、これが三回目。一回目は、大東市立住道中学校の修学旅行が東京で、地元選出の議員さんに案内されて社会科見学。半世紀近く前の話ですね。もはや「これが赤絨毯か……」くらいのうっすらした記憶しかありません。
次が児童ポルノ禁止法改正時の2009年6月26日、衆議院法務委員会の傍聴に入りました。参考人のアグネス・チャンさんが「私の後に子供たちの姿が見えますか」と神懸かり的に力説した例の委員会です。この時は議事堂の横の方から入って、迷路みたいな通路を通って、委員会室に行ったんだよなという記憶がありますが、見学に行ったわけじゃないので、委員会のことしか憶えていません。
さて、三回目の今回。正門から入れる。これだけでも貴重な体験です。写真も撮り放題。以前、国会の正面からの写真が欲しくて、昼間たかし氏と道路の向い側から撮影していたら、警官が、すーっと寄ってきましたよ。
「観光ですかー?」
「観光ですー」
警備は厳重です。普段でも永田町界隈は警官の立哨率が高いんですが、内覧会の日も要所要所に警官が立ってます。日本の中枢ですから当然といえば当然。
■予想以上にデカイ国会議事堂
オフィシャルな案内は参議院の「国会体験・見学」を参照してください。こちらは主に主観ですので。
さて、正門から入ってまず体感したのは、敷地の広さ。正面玄関に接近するとギリシア神殿風の円柱が。エンタシスというやつですね。微妙に膨らんでいます。
中央広間に入ると、こんな感じ。完全に西洋建築です。四隅の壁に春夏秋冬を描いた壁画とステンドグラス。
ステンドグラスのデザインは鳳凰でしょうか?
吹き抜けの天窓。ここが日本だとは思えないですね。ヨーロッパのお城とか教会みたいです。
中央広間の大理石の壁には巻き貝の化石が。案内役の人に訊けば教えてくれます。けっこう有名みたいです。
二階のバルコニーがせり出しています。
バルコニーからの眺め。劇場のような雰囲気です。微妙にピラネージ風味もあります。
中央広間の床は大理石のモザイクです。
順路に沿って見学を続けましたが、廊下長い、めちゃくちゃ長い。参議院側だけでこれかよと言うくらい長い。
二階の廊下から中庭を撮りました。巨大な香炉のようなブロンズの部分は「外気取入口」だそうです。周囲のプールには鯉が泳いでいます。
廊下だけでも見るところが一杯あります。たとえば火災報知器。現代のタイプに付け替えてもよさそうなのに、中身はともかく外側のパネルはおそらく建築当時のものです。「器知報災火」と右読みになっています。使い方は一緒ですね。 皇族室。ガラス越しなので撮影条件が良くありません。 御休所(ごきゅうじょ)。陛下のお部屋です。ここもガラス越しです。
御休所前広間より、御休所入口。天井が美しいです。 委員会室。衆議院の委員会室は入ったことがありますが、参議院の委員会室は初めてです。 参議院議長応接室。「美の巨人たち」で紹介された山下隆次作の刺繍絵画「富士山 木曾街道六十九次」が展示されています。参議院本会議場。 中央階段。
というわけで結構な距離を歩きました。各党の部屋も拝見しましたが、あんまり面白い写真が撮れなかったのでパス。
見逃したところも多く、面白いので10年後にはまた来ようと思います。(永山薫)
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衆参両議長室に掛けていただいてる刺繍額は父山下隆次のほぼ最後の仕事でした、制作途中、出来上がった時は見ましたが枠にはまった状態では高さの加減で斜めからしか見ることが出来ませんでした、一度議事堂の中で掛けられている作品を見せて頂きたく思っています。写真で見せて頂く限りでは意外と小さく感じます。掛けて頂いている状態がよく分かり、また立派に飾って頂き有り難く思っております。