ラストスパート! 「児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。」署名キャンペーン 高円寺駅前チラシ配布レポ

ビラ作成から配布まですべて自費、独力で行う廣田恵介さん

ビラ作成から配布まですべて自費、独力で行う廣田恵介さん

■1万人は超えたがもうひと伸びを!

 本誌でもその趣旨に賛同、応援している「児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。」署名キャンペーン。署名賛同者は大台となる1万人を突破し、5月26日現在で1万1千人まであと数名まで伸びを見せているが、逆に言えば1万人に差し掛かったあたりで署名の伸び具合は明らかにペースダウン。署名募集期日の5月31日までに、もうひと伸びして欲しい! といった具合になっている。

 その「もうひと伸び」を達成すべく、署名の発起人であるフリーライター・廣田恵介さんが、本日5月26日にJR中央線・高円寺駅北口にて署名への参加を訴えるチラシの配布を行った。
 廣田さんは、当日の配布時刻前には独力でチラシを置いてくれる協力店舗を探し、高円寺のマンガ喫茶「漫画空間」へチラシを置かせてもらってからの配布活動に。また、高円寺駅前でのチラシ配布自体も廣田さんひとりで行う予定だったそうで(配布開始後にボランティア協力者1名が飛び入り参加)、さすがに2~3人は協力者がいるのだろうと思っていただけに驚かされた。「ひとりで始めたことですので」と涼しげな顔で語る廣田さんの行動力には頭が下がる思い。

 配布予定時刻の午後6時になると、黙々と声を出しながら通行者へチラシを差し出す廣田さんだが……残念なことに、人々の反応はいまひとつで、なかなか受け取ってすらもらえない。「反原発や反TPPなどの運動が盛んで、政治的な興味を持ってもらいやすい街なのでは」ということで高円寺駅前での配布を決めたそうだが、思うように配布が進まない。最終的には約3時間の配布で「20枚ちょっとを受け取ってもらえた」という。しかしチラシを読み熱心に語りかけてきた方もいたとのことで、配布枚数以上の効果があったと思いたい。
 ちなみに、高円寺という街は確かに昨今の政治的運動の拠点となりやすいのだが、それは新しめの流入住民に「そういう層が多め」という事情があり、旧来の住民とは意識的な分断がある。そしてこの日の配布を行った北口(純情商店街など古めの商店街で有名)は旧来の住民層が多いエリアであり、これが南口側ならもうちょっとは興味を引けた可能性はあったかも?

JR高円寺駅北口での配布の模様。なかなか受け取ってもらえず苦戦……

JR高円寺駅北口での配布の模様。なかなか受け取ってもらえず苦戦……

 今後もチラシ配布の予定はあるのかを尋ねたところ、廣田さんの地元である吉祥寺などでも行いたいとの意向はあるが「許可の申請にどうしても数日かかってしまう。期日が5月いっぱいということで、時間的に難しいかも」とのことだった。署名活動のラストスパートについては、やはり時間的制約なども多く流動的となるため、詳細を知りたいのならば廣田さんのツイッターをフォローするのが最も確実だろう。なお、配布終了後の廣田さんのツイッターによれば、映画館「吉祥寺バウスシアター」へもチラシが置かれることになったという。

■より多くの人へ伝えるためには……!?

 まったくの余談だが、取材中に偶然ながら筆者の元同僚(編プロ勤務、現在はフリーの編集者)が通りがかり、児ポ法改正案の問題点や署名について、ビラの趣旨などを簡単に説明し協力も依頼したのだが、その元同僚はこれらの問題について何も知らなかった。「表現」を扱う出版業界人にすら、まだまだ認知度が低いのかと痛感もさせられたし、ましてや広く一般の方々まで情報を周知させるには、いったいどうしたらいいのだろうか?

この日配布された、署名を呼び掛けるチラシ。実物は鮮やかなグリーンのカラーで印刷されており爽やかさを感じさせる。是非手に取って欲しい!

この日配布された、署名を呼び掛けるチラシ。実物は鮮やかなグリーンのカラーで印刷されており爽やかさを感じさせる。是非手に取って欲しい!

 廣田さんも「秘密保護法などと同様に、冤罪を生み出すなど共通の問題点があるのだから、様々な政治運動をしている方々がもうちょっと喰いついてくれるかと思っていたのですが……」と漏らしていた。今回の署名キャンペーンは、主にツイッターでのRT拡散などで周知が計られていたが、ツイッターには「ある程度の共通項」を持つユーザー以外へは情報が拡散されにくい(共通項がないとフォロワー関係も生まれにくい)という問題もある。署名が1万人に近づくにつれ伸びが鈍化してきた理由には、「問題を知っている人はもう署名もしている」こともあるだろう。反表現規制界隈の繋がりも、恐らくこの1万人前後が上限なのかもしれず、であればその繋がりをより広げる一手が必要になってくる。
 今回のビラ配布も、王手とはならずとも情報を拡散させる一手にはなるだろう。まだまだ時間があるのならば、どんどんと協力者を募り各地でビラを配り……という方法もあるのだろうが、残念ながらラストは近い。本誌としては、最後まで廣田さんや署名賛同者たちの「一手」を追いつつ拡散に協力させていただくつもりだ。
(佐藤 圭亮)

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