山上たつひこ先生の初個展に行ってきました。
『文藝別冊 山上たつひこ』出版の記念企画というわけで、宣伝になりますが自分(永山薫)も筆者の一人であり、細野晴臣さんのインタビューも担当しております。ちなみに筆者の評論「黒い艶笑と伏流するエロス」は必読です! というのはおいといて、とにかく山上先生の3万字インタビューがすごすぎて、これはもはやインタビューと題されたエンターテイメントです。オレらは先生の社会派SF→アナーキーギャグの飛躍に「何があったんだ!?」と気になるわけですが、その謎も解き明かされて……というか作者自身の言葉でさらりと答えられていて、思わずうなっちゃったりするわけです。豪華執筆陣による特別寄稿もいいよね。鴨川つばめ先生久々の登場にも感涙ですが、なんと萩尾望都先生が「こまわり君」を描くという想定外すぎる「事件」まで。
さて、個展です。担当編集者から150点以上の展示です! と聞いていましたが、実際に観るとスゴイことになっておりました。同じギャラリーでで開催された永野のりこさんの個展もそうでしたが、片方の壁を埋め尽くすかのように大量の漫画原画を展示し、もう片方の壁をフレームに入れたカラー原画をギャラリー風に展示しています。このスタイルの原画展が主流になりつつあるのかもしれません(仮説)。
『人類戦記』『半田溶助女狩り』『光る風』『がきデカ』『怪僧のざらし』等々、これでもか! という感じです。山上先生が自分でも気に入っている「信濃では鬼女とジジイと竹細工」(『喜劇新思想大系』)は丸ごと展示されていました。
カラー原画は30万円台が多かったと思います。正直、これは手が出ません。しかし、初日の11時過ぎにすでに何点か売約済みになっており、どうしても欲しい人は明日朝一番に駆け付けないとヤバイです。
筆者でも手が届くのが、オリジナルグッズ。Tシャツの柄はこまわり君と栃の嵐の二種類。栃の嵐は黒地に金。これは先生がお住まいの金沢の金箔職人が、一枚一枚箔押しした……というのは冗談です。クリアファイルは、「あふりか象が好き!」「八丈島のきょん!」のセット、「光る風」の内ポケット付き。あとは絵葉書セット。
■イベント概要
山上たつひこ 原画展
~『文藝別冊 山上たつひこ』(河出書房新社)出版記念~
●会期/2016年7月2日(土)~7月12日(火)
●会場/東京・銀座スパンアートギャラリー
●開場時間/11:00~19:00(最終日 17:00まで) ※入場無料・会期中無休
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