■ザ・くそゲーライブ「くそゲーサミット2016
続いて24:00~25:30という、葉月博規さんの企画『ザ・くそゲーライブ「くそゲーサミット2016』へと席を移しました。
■出演者
葉月博規(シナリオライター、フリーライター、TVゲーム研究家)
Oじろー(シナリオライター)
えーと、何故かシークレットゲストみたいな扱いですが、海外の国ごと規制の違いみたいなところで補足する人みたいなポジション。
で、葉月さんがゲームの源流から語り始めまして、これが面白いんだけど終わりません。途中、
「永山さんのはじめてのエロゲーは?」
と振られて、とっさに
「VIRTUAL VALERIEかな」
と適当に答えましたが、あとで間違いに気付きました。
『VIRTUAL VALERIE』は1990年リリース世界初のエロゲーCD-ROM。その原型である『MacPLAYMATE』(1985年)の方を言うべきでしたね。Mac版、それもMacintoshPlusでプレイするモノクロのエロゲーです。古手のMacユーザーしか知りません。Mac以外ではPC88とMSX2とファミコンが筆者のゲーム人生スタートでした。
結局、葉月さんの熱演は規制の話にまで辿り着かないうちにファミコンあたりでタイムアップ。
まあ、面白かったからいいけど、次回に持ち越しですね。
SFとエロマンガについてダラダラ話す会
最後の企画、24:00〜27:30の『SFとエロマンガについてダラダラ話す会』に後半から参加。
■出演者
稀見理都(ヘンタイ・スペシャリスト)
永山薫(エロおやじ)
しかし、このプログラムの肩書きはなんだ!? 頭に来たので名刺に刷ろうかと思いましたよ。
ちなみに写真には入ってませんが、反対側では大勢の聴衆の皆さんがグダグダになり、佐藤副編集長が沈没していました。
企画自体は20代の参加者から、熱い質問が飛んだり、米澤英子さんが飛び入りでエロ漫画創世記の貴重な話をしてくれたりと妙に盛り上がりました。
とはいえ体力の限界。
終了と同時に這うようにして部屋に戻って爆睡です。
■SOG賞
翌朝、ロクに寝ていないまま朝食山盛り食べて、クロージングに向かいました。
まず注目は第15回SOG(センス・オブ・ジェンダー)賞。この賞はジェンダーSF研究会が主催するオールジャンル対称のジェンダーSF作品に贈られます。説明すると長くなりますが、一度は審査員をやらせていただいた筆者の理解では、SFの代名詞である「センス・オブ・ワンダー」のジェンダー版というか、ジェンダーという魅力的で不可思議で政治的な概念にアプローチした天晴れな作品がその対象となるわけです。
さて、結果はネット上に流れているわけですが、候補作は以下の5作。
倉田タカシ『母になる、石の礫で』
蔓沢つた子『好物はいちばんさいごに腹のなか』
村田沙耶香『消滅世界』
長谷川愛『(Im)possible baby』
yoha『さよなら恋人、またきて友だち』
長谷川愛さんの『(Im)possible baby』は、2015年の文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞受賞作品『(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合』のプロジェクトで、「実在する同性カップルの一部の遺伝情報からできうる子どもの遺伝データを生成し、それをもとに「家族写真」を制作した作品」(上記リンク先の解説より)です。
先述のように蔓沢つた子さんの作品は、ファーリィ(ケモ)BLで、これもまた同性間の結婚出産が描かれています。他の作品は未読なので触れませんが、受賞作品は……というか受賞対象は、「オメガ・バース」現象そのものというウルトラな卓袱台返し!
オメガ・バースとは欧米のスラッシュや2本のBLでジャンル化しつつあるSF的設定で、アルファ男女、ベータ男女、オメガ男女の都合6種類の「性別」がある世界が描かれます。ベータは現実の男女と同じで人口のほとんどを占めます。アルファは上位種で、男女を問わずオメガを妊娠させることができます。ややこしいんですが、この設定によって男同士でも女同士でも妊娠出産が可能という組み合わせができます。女性アルファが男性オメガと性交して妊娠させることも可能。思い切り単純化するとアルファ×オメガがメインでベータはその他大勢ですね。BLの同性結婚→妊娠→出産→子育て物により大きな世界観のレイヤーがかぶさったというべきでしょうか? この複数の性が存在する世界を描くことは、性における支配と従属の権力構造を否応なく描き出してしまいます。その意味でも極めて政治的で刺激的です。
■第26回暗黒星雲賞
2014年の第24回では筆者も登壇した稀見理都さんの『エロまんがとSF』が企画部門賞を受賞した暗黒星雲賞。今回は次のような結果となりました。
自由部門:戸田家さん(なかなか行きたい場所に辿り着けないダンジョン的構造が高い評価を受けた模様)
幸運部門:CHIEさん(投票参加者の中から無作為で選ばれるという賞)
コスチューム部門:キュアミラクルさん(中の人は連続受賞だそうです)
ゲスト部門:梶尾真治さん(体調不良にかかわらず、星雲賞受賞のためにピンポイント参加。暗黒とのダブルクラウンに輝きました)
企画部門:消えたサイン会(予告されたにもかかわらず、連絡不備等で実行されなかったイベント)
以上をもちまして(他にも色々ありましたが)いせしまこんも無事終了。
次回は静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」で2017年8月26日(土)~27日(日) に開催予定の第56回日本SF大会「ドンブラコンLL」 です。
マンガ論争チームも参加したいと思ってますので、宜しくお願いしますね。